メリークリスマス!
「寒くないか?」
「うん。大丈夫」
渉は多香子の肩にかかるカーディガンを直し肩を抱いた。

「そろそろ薬のむか。」
「うん。」
「座ってろ」
渉は立ち上がり慣れた手つきで多香子の薬を用意する。

多香子は1日に3回、大量の薬を飲んでいた。どれも胎児には影響はないが、それでも心配な多香子。渉が薬をチェックしないと飲まないことがあり、常に薬の数を渉が把握していた。

薬はパニックを抑えるためのものや、ガン治療のためのホルモン剤などがある。ほかに貧血やお腹の張りを和らげる薬もあった。


渉が多香子のもとへ薬と水を持ってくると多香子がしきりにお腹をさすっていた。
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