メリークリスマス!
でも。廉の言葉を思い出す。

そして隣に立つ廉の大きな手をそっと握った。

「つめたっ」
そう言って廉が葵の前にしゃがみ両手を包み込む。
「廉。」
「ん?」
「大好き。メリークリスマス。」
「お前、不意打ちやめろ。」
そう言いながら廉が葵の口にキスをした。周りを気にしながらのふれるか触れないかのキス。
二人で照れながらもう一度ツリーを見た。
二人ですごすクリスマスが最後かもしれないと思うのは廉も同じだ。だから並んででも、葵を喜ばせたいと思っている。葵もちゃんとその気持ちを知っている。

「廉。」
「ん?」
「夜ごはんもケーキがいいな」
「ダメだろ。」
「えー」
「・・・ちょっとだけな。」
葵に廉は甘い。
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