君がいればそれだけで。
本当にそうなら良かったのに。なぜこんなにも雰囲気が違うんだ。確かに見た目はどこか王女に似ている。でも、こんなに恐怖を感じた事はなかった。体を動かせないくらい、声が出せないくらい震え上がる事なんて一度もなかったのに。
「ラズハルド、リズレイド、そこを避けてください」
「久し振り。数年ぶりかな」
「全然足りない。十数年ぶりだよ」
二人の間を通り抜け、そいつの前に立つ王女はいつものように笑っていた。まるで、面白いと言っているかのような表情をしていたんだ。
十数年ぶりと言ったか。確か、王女の兄が亡くなったのもそれくらい前の話だったよな。何か関係しているのか。
「ラズハルド、リズレイド、そこを避けてください」
「久し振り。数年ぶりかな」
「全然足りない。十数年ぶりだよ」
二人の間を通り抜け、そいつの前に立つ王女はいつものように笑っていた。まるで、面白いと言っているかのような表情をしていたんだ。
十数年ぶりと言ったか。確か、王女の兄が亡くなったのもそれくらい前の話だったよな。何か関係しているのか。