君がいればそれだけで。
あんなに恐怖に怯えた相手に笑顔など向けられるのだろうか。今までと変わらない表情を見ていれば恐怖など薄れていくのだろう。本気にさせなければ大丈夫と変に安心するのだろう。そんな日が来るのだろうか。

「・・・なぁ、シオラはどう思う?どっちが本当の王女様だと思う?」

「・・・どちらもなんだろう?」

「・・・俺、おかしいのか?」

明け方ではあるものの、庭にいる人々のほとんどが眠っている頃。ラズハルドは自分がおかしい理由を探していた。
王女の負の心を見た時に思ってしまったらしい。王女はこうでなくちゃと。こちらの方が王女らしいと。
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