君がいればそれだけで。
窓を開けて下を覗くと王女の無事を安堵する囚人や元囚人、その家族の姿があった。中には襲撃してきた中にいた者もいたけれど、反省の色が見られる。例えば、拒否すれば殺されてしまうとかで一緒にせざるを得ない者たちだったのかもしれない。

「数日は警戒して。戻ってくるかもしれない」

「かしこまりました」

警戒するよう俺たちに言っておきながら、王女は残ってくれた者たちを城の中に入れようとはしなかった。襲撃されて信じられなくなった訳じゃなさそうだけど、しかめている原因が分からない以上変に口を出す訳にはいかない。
必要だったら魔女であった王女が入れるよう言ってくるだろう。二人はそういう仲だし、互いに相談し合って決めてくれるだろう。
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