君がいればそれだけで。
「当たり前でしょう。あなたは私の、たった一人の家族なんだから」

「もし、兄がまだ生きていたらこの場所に一緒にいてくれたのかな」

「どうだっただろうね。兄がいたら私とあなたはこうしていなかったかもしれない。あなたがここにいるきっかけを作ったのは兄の死だったから」

「そうだったの?初めて聞いたよ?」

「あの日、亡くなった全ての命と向き合って乗り越えたくてあなたを呼んだの。私の代わりにまだ生きている皆を見守っていてほしくてね」
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