君がいればそれだけで。
だって王女がもし誰かに恋をしたとして、相手に俺と王女が男女の仲であると誤解されたく無いだろう。王女が折角思いを寄せたのに俺のせいで叶えられないなんて自分で腹を切るより辛い。

「お気になさらないでください。あなた様に頼って頂ける事だけが喜びなのですから」

「本当、変な趣味。風邪引くから被って?」

「恐れ入ります」

俺の体を気遣うだけでなく、暖かい毛布まで貸して頂けるとは。本来なら断るべきなんだろうけれど、王女は断った所で何としてでもかけようとしてくるからな。それに、俺が断った事で他の奴らのように嫌っているんだと勘違いされても嫌だから断りづらい。
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