この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

「あれ、ひま?」

「は、晴くん……お疲れさま」

「ひまも居残り?」

「あ、うん……」

それから隣に座って、ポツポツと会話が始まる。

今日の晴くんはなぜか体操服だった。もうすぐ文化祭があるらしくて、それの準備をしてたら着替える間もなく最終下校時間を迎えたらしい。

時間をずらしたのにこんな日に限って会っちゃうなんて。

既読スルーしていたのに晴くんはそれを咎めることもなく笑っている。

「体調よくなったのか? 最近、よく休んでるよな」

「季節の変わり目だから、体調崩しやすいんだよ」

「チビなんだから、いっぱい食って体力つけろよな」

「なにそれ。チビは関係ないもんっ」

「はは」

なんにも知らない晴くんと笑い合ってるとホッとする。切ない、苦しい、悲しい……。好き……。いろんな感情が入りまじってぐちゃぐちゃだ。

「来週の日曜日は空けとけよ」

突然そう言われて、引きつる頬を持ち上げ首をかしげた。

「おい、忘れたのかよ。誕生日だろ。本当は当日に祝いたいけど、平日だから学校だし。だから日曜日空けとけ」

呆れたように笑われた。

そっか……誕生日。

すっかり忘れてた。

でも……ごめんね。ちょっと無理かも。

「今週じゃダメかな?」

「え?」

「来週は予定があって……だからお願い、今週にして?」

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