この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

病室の前で母親に出くわした。

「晴くん……お友達?」

ひまの母親は最初に会った頃からするとずいぶん痩せた。それにここ最近見るからに元気がない。まぁ、無理もないか。こんな状況だもんな。

「こんにちは、私たちはひまりの親友です」

海堂と美奈が前に出て頭を下げる。

「そう……ぜひ、ぜひひまちゃんに会ってあげて……っ」

華奢な肩を震わせながら口元を手でおおって涙目になる母親の姿に、ふたりは黙ったまま静かに頷いた。

治るんだよな?

いや、治るに決まってる。俺が疑ってどうするんだ。治るまで俺がそばで支える。

「苑ちゃん! 美奈ちゃん! 福島くんも、天地くんまで! きてくれたんだね」

ベッドに横たわっていたひまは、ヤツらを見るなりうれしそうに微笑んだ。対する四人は、ひまの姿を見て言葉を失っている。

「ヒミツにしててごめんね……私、すっかり変わっちゃったでしょ……? 髪の毛も抜けて、ビックリしたよね?」

「ひまり……」

「ひまちゃん……」

「会いにきてくれてありがとう、うれしい」

ふたりは必死に涙をこらえていた。涙を引っ込め、無理して笑ってワーッとひまの元へ駆け寄る。

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