KANATA~answers of your selection~
ようやくこの時が訪れた。


遂に結果が知らされる。


オレはこの前と同じ部屋に通され、先生と向かい合った。


お互いに緊張しているのが伝わってきてオレは呼吸するのも忘れて窓の外で小鳥が羽を広げて飛んでいくのを見ていた。



「では、結果を発表する。色々説明したいことはあるのだが、端的に結果だけ言おうと思う。心の準備は整っているかい?」


「はい、大丈夫です。お願いします」



オレは唾をごくりと飲み込んだ。


人生最大の緊張度合いだ。


...大丈夫だ。


自分を、


辻村を、


信じよう。


オレたちは、きっと...



「阿部奏太くん、君は辻村夏向さんのドナーに......」


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