星空は「好き」を繋ぐ明日への光
白い布団から顔を覗かせてカーテンの向こうの光を眺める。


看護師さんはやくきてカーテン開けてくれないかなぁ。


どこを見ても白ばかり。カーテンの向こうの世界に行きたいなぁ。


まだ起床時間にもなっていない。私ははやく起きてしまうから看護師さんがくるまでぼーっとして待つ。



起き上がれないから横になりながら。

朝の静けさはなんとなく心地よい。




今日はどんな一日になるのだろう。そんなことを思いながら目をつむる────。





「花園さーん!」




看護師さんの声が聞こえたら、目をパチッと開ける。


シャーっとカーテンを開けるとまるで待ち構えていたように光が差し込んできた。



「体温はいつも通りね!」



私を担当してくれている朝日さんは元気。朝から大きな声で話しかけてきて。


ぜったいに笑顔を絶やさないひと。



私はあまり話せないから……返事の代わりにこくんと頷く。



「ご飯食べられそうかな?」
< 203 / 258 >

この作品をシェア

pagetop