冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
そんな人質にすらならない私に、大事な護衛をおつけになられるなんて。
(王様は……………少々変わっていらっしゃる…)
「テオビューク。不在の間、妃を頼む」
「御意」
テオビュークと呼ばれた騎士は忠誠を誓う様に、私と王様の前で膝を曲げる。
そう言えば、まだこの護衛騎士へ自己紹介をしていない。
「………………ガーネルです。宜しくお願いします」
私の口元は、不思議な事に少し緩んだ。