王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
しばらく柏葉さんの話を聞いて、
いま通話が終了した。
黒くなった画面をただ見つめることしかできずに、頭の中は真っ白……。
次第に瞳にたまった涙がポタッと画面に落ちて、ハッとする。
すぐに自分の手で涙を拭い、気をしっかり落ち着かせる。
呼吸を忘れてしまいそうになるのを防ぐために、自分の胸に手を当てて、息をしっかり吸う。
「芙結ちゃん?どうしたの?」
急にかけられた声に反応できなくて、顔を伏せたまま。
でも、誰かにこれを聞いてほしくて……大丈夫、心配いらないって言ってほしくて……。
「芙結ちゃん?……って、どうして泣いてるの?」
「み……どう、くん……」
声をかけてくれたのは御堂くんだった。
「え、ちょ、どーしたの?なんかあった?」
「は、はる……くんが……」
「芭瑠がどうしたの?」
落ち着いて、
息をしっかり吐けるように一度大きく深く吸って……。
「━━━━倒れた……って……っ」