王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



そんな言葉じゃ全然大丈夫なんて思えないよ……っ。


「もう、無理しちゃダメ……だよ……っ」

わがままだって思われてもいいから、せめてこのお願いだけは聞いてほしいのに……。


「……へーき。無理してないから」

「た、倒れてるのに、
無理してないとか嘘でしょ……っ」


「ほんとだよ。2、3日したら回復するだろうし」

「でも、また倒れたら……っ」


不謹慎なことかもしれないけど、次また倒れたら…って想像してしまう。


「……だいじょーぶ。芙結は心配性だね」


大丈夫だよって笑いかけてくれるけど、それでも不安は消えない。

消えるどころか増すばかり。


ゆっくり身体を起こして、そっとわたしを抱きしめた。


「……これくらいなんともないから」

なんともない人が、
何度も倒れるわけないのに……。


それなのに、芭瑠くんはわたしに何も言ってくれない。

ただ、大丈夫としか言わない。
肝心なことを何も話してくれない。

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