王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



「……どーしたの、固まっちゃって」


笑った顔も、わたしを見る瞳も、幼い頃と変わらない優しさが見える。


「あっ……えっと、お久しぶり……です」

どう自然に会話を繋げたらいいのか混乱して、なぜか敬語になってしまった。


というか、こうやって顔を見るのも話すのも久しぶりすぎて自然に振る舞うことができない。

目を合わすことすらできなくて、キョロキョロしてしまう。


すると芭瑠くんはクスッと笑いながら。


「……ちゃんと芙結の可愛い顔見たいから見せて?」


わたしの両頬を優しく手で挟んだ。


「う……っ」


しっかりわたしの瞳を見つめて、捉えたら離さないように見てくるから、どうしたらいいのかわかんない。


「昔も可愛かったけど……今は少し大人っぽくなってもっと可愛くなったね」


にこっと笑った顔が懐かしくて、それと同時に心臓のドキドキはさらに加速する。

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