君は同期で幼馴染で××で
そして、翌年の4月。
私も陸も、めでたく希望の高校に合格し、高校生活をスタートさせた。

高校へは、自転車で通った。近所から通う、仲の良い子は特におらず、自然と陸と通い始めた。
陸はあまり朝に強くなくて、インターフォンをならすと、出てくるのはいつもおばさんだった。

「ごめんね、真紀ちゃん。あと5分だけ待ってやって。これからも待たせるようだったら、先に行ってもらった方が良さそうね。真紀ちゃんに遅刻させちゃったらいけないわ」

「母さん!勝手なこと言わないで。これでも早めに出てるから、毎日余裕なんだ。5分ぐらい遅くても、全く問題ない」

ドタバタと奥から駆けてきながら、陸が喚いていた。

「何言ってるの!!それを言っていいのは、待ってくれている真紀ちゃんの方でしょうが。
ごめんね、真紀ちゃん。いつもこんなんで……」

「いいえ。本当に時間がやばいって思ったら、遠慮なくおいていくから」

なんせ、おばさんとも幼稚園からの付き合いだ。こんな軽口も平気で言える。

「真紀ちゃんまで、ひどい……どうせなら、真紀ちゃんが起こしに来てくれればいいのに」

口を尖らせて、拗ねたように言う陸。

「何言ってるの!!あんたが自分でちゃんとすればいいことでしょ!!」


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