君は同期で幼馴染で××で
中学校3年生になり、進路を本格的に考える時期がやってきた。私は、勉強は得意というほどでもなかったけど、そこそこできたから進学校を希望した。大学まで出て都会で働きたいと、漠然と考えていた。
決して地元が嫌いなわけじゃないけれど、いつかは一人暮らしもしてみたかったし、ここでは味わえない、都会への憧れなんかがあったんだと思う。そのためにも、少しでも良い学校を目指そうと、家から通える高校のうち、一番レベルの高いところを希望した。

夏に部活を引退してからは、勉強一色の生活になった。同じ頃、陸もバスケ部を引退した。
図書館に勉強をしに行けば、ちょこちょこ顔を合わせるようになった。

「真紀ちゃん、もう高校は決めた?」

「一応ね。◯◯高校を目指してるの」

「へえ、奇遇だね。僕も同じだ」

そう言って、それまでやっていた◯◯高校の過去問題をチラリと見せてきた。

「合格したら、また3年間一緒かあ……なんか、幼稚園からずっと一緒って、すごい縁だね」

そう言う私に、

「そうだね」

と、陸はにっこり微笑んだ。

「真紀ちゃん、どうせなら一緒に勉強しようよ。わからないところを教えて欲しいし」

いやいや、むしろ陸の方が成績良かったよね?

「陸が私に教えるの間違いだよ」

「そんなことないよ。でも、お互いに教え合えるから、ちょうどいいね」

それもそうかと納得して、それから陸と一緒に勉強する時間が増えていった。

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