君は同期で幼馴染で××で
高校は、一学年6クラスあった。さすがに違うクラスになったものの、ここでも陸は何かと私にまとわりついていた。


「真紀はいいよね。あんなイケメンの幼馴染がいてさあ」

仲良くなった、同じクラスの加藤美希が言う。

「確かに……仔犬みたいな可愛さだよね。でも、けっこう面倒なやつだよ?今朝も、朝起きられないから起こしに来てとか言うし」

「えぇ。いいなあ。私だったら喜んで起こしに行くわ。だって恩田君だよ?1年生だけじゃなくて、2、3年生にも狙っている女子がいるのよ」

そう口を挟んだのは、もう一人の友人の山田舞。
中学の時もそうだったけど、ここでも陸はモテているようだ。

「陸は本当にモテるんだよねぇ。私としては、ダメダメな部分もたくさん見てるから、よくわからないけど……」

「そういう真紀だって、人気あるじゃん」

「は?どこが?」

美紀の言葉に、呆れた視線を向ける。

「何言ってるの?真紀だって、小柄でぱっちり二重。ゆるふわ天然パーマって、モテ要素満載じゃん。てっきり小動物系かと思いきや、口を開けば姉御肌で面倒見もいいしさあ」

「姉御肌なのは認める。幼い頃から、陸や弟の面倒を見てたから。でも、モテたことなんて、一度もないよ。告白されたこともないし」

なぜか逆に、美希から呆れた視線を返された。


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