寡黙なダディの秘めない愛情
「ヘイ、ぼく?私の可愛いムスメに何か用かな?」

いつの間にか隣に来ていたジムが、育己に腕を捻り上げられた少年Aの顔を覗き込む。

「な、何でもねえよ。お、お前もこの手を離せば許してやる」

ミサがさっとジムの後ろに隠れると、育己は少年Aの腕を離した。

「お、覚えてろよ」

駆け出した少年Aに

「覚えてろよって、流行語大賞?」

とジムが首を傾げる。

「パパは馬鹿なの?そんなわけないじゃない」

ジムに突っ込むミサを見て、守ることができて本当に良かったと思う。

母に感じる気持ちとは全く違う。

なりふり構わず、本能で動く、守りたいと心から思う。

それが親愛ではなく、恋愛感情なのだと育己は悟った、いや、認めた。

「育己、ミサを守ってくれてありがとう。君もやはり蓮の息子だね。君は頑なに認めたくなかったようだけど」

ジムに促され、夏美のところに走っていったミサを見送って、ジムは育己の横に並んで歩き出した。

「蓮はヘンタイではないよ。美咲ラブが少し強すぎるだけ」

「・・・はい」

ジムを見つめる育己は、もう迷いを振り切ったように見えた。



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