始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
激しく、絡み合ったあの光景を思い出すと、自然に体が熱くなる。


『…先輩、すごく強引です…』


『そんなに強引だと思うなら、そうなのかもな。穂乃果には…強引にしてしまってるんだな…』


え…?


私だけに強引だって言いたいの?


本気なのか、こういうことを平気で言える人なのか、出会ったばかりで、本心は、やっぱりわからないよ。


でも、お互いの体を重ねたことだけは、動かしようもない事実。


それを、私はこれから自分の中で、どう考えて処理していけばいいんだろう…


難しくて、全然、今は何もわからなかった。


だけど、私、気がついたら、先輩との同居も、店を変わることも、OKしてしまっていたんだ…


生活、ううん、人生が一変するような、大きな大切な決断なのに、こんなにすぐに結論を出して良かったのか…


それをゆっくり考える時間もなく、月城先輩の強引さに…完全に引きづられてしまった自分がいた。
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