始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
挑戦してみたい…


って、ちょっと後ろ向きだった気持ちが、前に向いて動き出した…


『決まりだな。穂乃果の店には、俺が挨拶に行く。俺のフィアンセになったことにすれば、納得してくれるだろ?実際、いつか、そうなることに間違いはないんだから…』


『先輩…私、まだ告白のことも、一緒に住むことも、美容院を変わることも、何一つ返事してないと思うんですけど…ましてや、フィアンセになるなんて…』


とうとう、言ってしまった。


『そうだった?』


意地悪な笑みを浮かべて、先輩が、また私の髪に触れながら、そう言った。


『はい…』


『穂乃果の気持ちは、これから俺が変えるって、そう言っただろ?とにかく…俺のところに来い。悪いようには絶対にしない。俺は、言ったこと、したことに必ず責任を持つ。今夜のこともだ。わかった?』


今夜のことも…


さっきの出来事が、また頭の中に浮かんだ。
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