始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『1人前になるまで大変なんだ、料理のことなんか気にするな。お互いに今は、立派な美容師になることだけ考えるんだ…でも…』


そう言って、先輩は、私を抱きしめた。


1週間ぶりに会う先輩の香り…


この香りと、先輩の腕の強さに、私はもうドキドキし始めた。


『仕事以外の時は、俺のことだけ考えてればいい。ずっと…穂乃果に俺のこと考えてて欲しい』


そうして、私達は、そのままキスをした。


『…待って…下さい。私達は、まだ付き合ってるわけじゃないし、こんなことするのは…』


『俺が嫌いなの?』


嫌いなわけない。


目の前にいるあなたは…素敵過ぎる。


ただ、自分に自信がないだけ。


『あの…先輩…』


『いい加減、その先輩は止めてくれ。俺は月城悠人(はると)。悠人って呼んでくれ』


『む、無理です、いきなり呼び捨てなんて…』


『じゃあ、呼べるようにしてやるよ』
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