極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい

「このバカが！こんな正体無くすまで酒を飲むとはどういうことだ？一体いくら飲んだんだ！？」
「はいっ！え…えと…はじめにシャンパンでお祝いされて……」
流星さんの剣幕に押されるように私は白状した。
風雅さんと来たレストランは綺麗な夜景が望める窓際でその眺望を眺めながらの食事をした。そのとき飲んだ初めてのシャンパンはフルーティーで飲みやすくておかわりしてしまったほど美味しかった。その後に出された赤ワインはアルコールが喉を焼くように通り、少し苦手と思った。
…そこまでは覚えている。苦手でも残すのはいけないかと思いワインをちびちび飲んでる間に頭がふわふわしてきて、デザートの頃には誕生日ケーキを出され誰かが歌も歌ってくれたようだけどほとんど記憶に無い。そのうち眠気が襲い何がどうなって今に至り風雅さんではなく流星さんが目の前にいるのかわからない。
そこまで言うと流星さんは「もういい」と言って深くため息をついた。
「…あの、ここはどこですか？なんで流星さんがいるんでしょう？」
素直に疑問を投げかけるとギロリと睨まれついヒッ！と喉が鳴る。
「チッ…ここはオフィスビル内のホテルの一室だ。意識の無いお前を休ませるのに一番近いからな」
地味に舌打ちされて首が縮こまる。でもここはざっと見る限り広くて窓も大きくて夜景が見える。ただの一室というより立派なスイートルームのようだった。