極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
「叶ちゃん綺麗!」
「凄い似合ってる!流石うちの着物!」
「茉子ちゃん大和さん、ありがとう」
白無垢姿の私に茉子ちゃんと大和さんが感嘆のため息を溢す。私たちの晴れ姿を見に来てくれていた。

私たちは今日結婚式を挙げた。
神社で厳かに式が行われ夫婦の誓いを立て感無量。左手薬指には二人で選んだ結婚指輪が輝いている。
呉服屋まき乃で急遽仕立てられたこの白無垢は、とても見事な鳳凰と松竹梅があしらわれてうっとりするほど美しい。
そして、紋付き袴姿の流星さんが凛々しく素敵でこれまたうっとり見惚れてしまう。

なぜこんなに早く結婚式を挙げたかというと、籍を入れたのなら結婚式も早くやろうというお義父様の鶴の一声からだった。お義父さまは本当に私を嫁として認めてくれていて私の白無垢姿に感慨深げに目を細め微笑んでいた。
和泉さんも風雅さんも快く私を迎え入れてくれた。
因みに、白無垢に着替える時におしろいを首にも塗るのだが美容師さんにキスマークをバッチリ見られて恥ずかしい思いをしたのは言うまでもない…。

そして私たちは今、写真撮影をするためMAHOROBA屋上に来ていた。
ここで写真を撮りたいと言ったのは流星さんだった。お母様が気に入っていたこの日本庭園は私も流星さんも思い出の場所。ここで幸せな写真が撮れるのは私も嬉しい。
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