極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
かなう…かなう…
心に染み入るような優しい声。
そんな声に名前を呼ばれてなぜだか泣きたくなった。身体は暖かい温もりに包まれとても安心してる自分がいる。
気が付くと、ここはどこだろう?周りは真っ暗で何も無く見上げれば満点の星空。
圧倒されて見つめていると強く青い光が2つゆっくり流れて行った。それはまるで大好きなあの瞳のよう。
かなう…
優しく聞こえる声に身を委ねるように瞳を閉じた。

「叶、起きろ」
「ぎゃっ!」
ぎゅっと鼻を摘まれ、驚いて一気に目が覚めた私は、間近に流星さんの顔があって更に驚いた。
「はっ!流星さん!?」
「こんなところで寝てるな風邪を引く。先に休んでいろと言っただろう」
大声を張ってしまったせいか渋い顔をする流星さんに慌てて私は起き上がった。
「ご、ごめんなさい」
いつの間にかソファで寝てしまったようで体の上には流星さんの背広が掛けてあった。

「さっさと寝ろ」
緩めていたネクタイをシュッと外すと私に放り投げ、流星さんはバスルームへと消えていった。
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