極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
高槻家の人々

叶side


「今日はいつもの時間に帰れる」
「はい、かしこまりました。行ってらっしゃいませ」
いつもの時間とは大体午後7時頃。
早く帰って来てくれると思って自然と頬が緩んだ。
頭を下げるとじっとりと睨まれてた気がするけど、ドアが閉まるまで頭を下げ続ける私は流星さんの表情は伺いしれない。カチャンと音がして顔を上げればふうっとため息が溢れた。
今朝見るとお酒セットの中にあの和菓子の花弁衣がそのまま残っていてちょっとがっかり。
でも、さすがに夜中に和菓子を食べはしないかと肩を竦めた。
そんなことを考えてるうちにはっと思い出しベランダへと急いだ。
下を覗けば流星さんはもうオフィスの方に着いていて遅かったけどギリギリセーフ!と胸を撫で降ろす。
オフィス前で梶原さんと合流した流星さんが何やらその場で話をしているようで珍しく立ち止まっていた。どうしたのかな?と思っていたら流星さんがこちらに振り向いた。
しまった!と私は慌てて身を屈めそーっと様子を伺う。何事もなかったようですぐに二人はビルに入って行った。

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