極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
ふう、危なかった。
ベランダから流星さんを見送るのは私のささやかな日課。
別に悪い事をしてる訳じゃないから見つかってもいいのだけど、なんだか流星さんに見つかったら終わりな気がして振り向かれた時には咄嗟に隠れてしまう。
流星さんは気付いたら呆れてしまうだろうか?
でもいつか、流星さんから離れる時が来る。そう思うと一分一秒が大切で少しでも長く流星さんをこの目に焼き付けたい。そんな思いで始めたお見送りだった。
離れる時期はまだわからない。想像すら出来ない。だから今はその事は考えないようにした。

今日は遅くなってもう姿の見えなくなたけど行ってらっしゃいと呟く。
これをしないと私の一日は始まらないのだ。
「よし!お片付けしますか!」
一人元気に力拳を握り、青空を見上げた。
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