極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
レジデンスに戻ると紀子さんに着物を褒められた。
「素敵よ。さすがは流星様ね、ちゃんと叶ちゃんに似合ってる」
「え?どういうことですか?」
「あら、知らなかった?流星様ね突然実家にきて奥様のお着物見せてくれと言ってご自分で選んでいたのよ?どれが叶ちゃんに似合うかなって。それはそれは真剣に選んでて微笑ましかったわ」
「そ、そうだったんですか?知らなかったです。てっきり紀子さんが選んでくれたものだと…」
「そうなの?それに奥様は背の高い方だったからそのままじゃ大き過ぎると言ったらまき乃で仕立て直してもらうと言っていたわね」
「そんなことまで?」
そこまでしてくれてたなんて全然知らなかった。大和さんだって知ってたはずなのに何も言ってくれなかった。
「言ってくれれば良かったのに…」
「ふふ、流星さんはそんなこと言いません。さり気なく気を遣ってくれる優しい方なんですよ。叶ちゃんを大事に思ってくれる素敵なご主人様ね」
優しい眼差しで紀子さんは言ってくれた。私は飛びきり幸せな顔で頷いた。
「はい…流星さんにお仕え出来て幸せです」

< 57 / 168 >

この作品をシェア

pagetop