極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
流星さんに鼻であしらわれ、両脇の女性たちがくすくすと笑う。
私は意を決して想いの丈を流星さんにぶつけた。
「流星さんは旦那さまには望まない結婚を迫られて、好きな女性にはフラれて、ただ自棄になってるだけですよね？どうか気を落さないでください。旦那さまとちゃんと話し合ってください。家族なんですからきっと旦那さまも分かってくれます。それに好きな人にはもう一度告白してください。流星さんがフラれるなんておかしいです。こんなに素敵な人を振るなんて考えられません、その女性は何か勘違いしてるんじゃないですか？」
「はあ？」
一気に話して呼吸が苦しくて大きく深呼吸した。ここはなんだか空気が薄くて苦しい。
気が付くと流星さんは超絶機嫌が悪い顔をしていて恐れおののいた。
「やだ、流星さんフラれたの？」
「信じらんなーい、私が慰めてあげようか？」
「だめよ、あたしが彼女になってあげるわよ」
両脇の女性たちがピリピリしてる流星さんを挟んで平然と言い合っている。抱き着いたりしてべったりと引っ付く二人が羨ましくて嫉妬してしまいそう。
流星さんはスッと手を上げ一端二人を離れさせ、両手両足を組んで私を見上げた。
その光る双眼の目力に私は金縛りにあったように身動きが出来ない。
< 76 / 168 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop