あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
母は私の正面に立ち真剣な顔で私を見つめた。
「知佳はどう思う?」
「・・・いいと思う。」
「そう。じゃあ、アプローチしてみようかしら。」
「・・・ねぇ。」
「ん?」
私は母にずっと聞いてみたかったことを聞いてみることにした。
「どうして二人は離婚したの?」

母はその言葉に驚いているようだった。
少しして「座りなさい」とまだ体調の万全ではない私を座らせて、母は正面に座った。

「すれ違いかな。よくある。」
母は私の手を握る。
「知佳が小さいうちは知佳が父さんと母さんを繋いでくれてた。でも、知佳が大きくなって自分のことを少しずつできるようになったら私たちの会話もどんどんと減って行ってね。まるで一緒にいても空気みたいな存在になってしまった。」
「・・・私が体が弱くて、お父さんもお母さんも仕事が忙しくて・・・私のせいじゃないの?」
私の言葉に母は首を横に振り微笑んだ。
「逆よ。私たちを繋いでくれていたのは知佳だった。」
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