あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
妊娠後期に差し掛かり医師の太鼓判ももらった私は、思い出の水族館に行くことを心平に頼み込んだ。

そうそう、私は名前で呼ぶことにも、敬語を使わず話をすることにもやっと慣れた。

「生まれたら、パパとママと来ような」
心平が私のお腹に向かって話しかける姿に、近くにいた子供ずれのママたちがうっとりとしている。このイケメンぶりは一緒に過ごす時間が長くなっても慣れない。
何をしてもかっこいいから許されるわけではない。でも、この顔で甘い言葉を言われると弱い。

「過保護すぎるパパは嫌われるよ」
心平が武器を使うときは私も違う武器を使う。

最近は子供のことを持ち出すと心平は弱い。
「お前そんな意地悪言うなよ。」
「ふふっ。ほら、ショーがはじまっちゃうよ」
「こらっ!走んな!」
心平はすぐに私の肩を再び抱いた。
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