あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「無理やり休ませればよかった」
「大丈夫だって。」
「病院行くぞ?」
「大丈夫。少し休んだらおとなしく帰るから、仕事に戻って?」
私の言葉に心平の表情はさらに険しくなった。
「ばか。もう早退の届出だしたよ。病院に何が何でも連れてく。」
「・・・」
「ニューヨークから戻ってから、その分の仕事詰め込んでんだろ?行く前もかなり無茶して仕事つめてたし。」
「・・・」
「こんななら新婚旅行、行かなきゃよかったって言うぞ?」
「・・・ごめん・・・」
厳しい口調のままそう言った後、その言葉に私は切なくなる。
あんなに楽しかったのに。そんなこと言ってほしくない。
かといってそう言わせてしまったのは自分だ。

「知佳」
心平は急に穏やかな顔になった。そしてベッドに横になっている私の頭を撫でる。
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