君がいれば、楽園
「そっか、そうだった。別れたんだった……もう、AVもいらないね。ミナちゃんに返しておく。捨ててもいいって言われてたんだけど、人の物だし」

「えっ! ちょ、ちょっと、ミナじゃなく俺に返せよっ!」

「うん。でも、くれたのはミナちゃんだし」

「俺のものなんだから、俺に返すのが筋だろっ!」

「でも、ミナちゃんに悪いから」

「俺に悪いとは思わないわけ?」

「うん、思わない。ミナちゃん怒ってたよ。まだ巨乳が好きなのかって」

「………」

 弟は「巨乳は、男のロマンなんだよ……」と呟いた。

「冬麻は興味ないって言ってた」

「冬麻さんは、胸じゃなくて……」

「それで、ほかに嫌なところは?」

 なぜか慌てたようにオッサン紳士が遮った。

「うーん……」

 すぐには思いつかないわたしに、弟がにっこり笑った。

「じゃあさ、今度は冬麻さんのいいところ……好きなところを言ってみれば?」
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