【短】チョコプリンセス〜甘い甘い誘惑に勝てはしない〜
「あれ…愛咲ちゃん?どうかした?」
「………別に」
私は仏頂面で、教室に戻って自分の席に座った。
すると、すぐに楽斗がそばにやってくる。
「……なんか、別にって感じじゃないけど」
「うるさいなぁ…もう。ほら、今度は楽斗の番だよ」
ウルウルと瞳を潤ませた一年の子が、多分滅茶苦茶勇気を出して、二年フロアにやって来たんだ。
きっと、このままいけば、楽斗の心はいつか誰かのものになってしまうだろう。
あー……どうしよう?
今更、告白とか。
照れるじゃん。
気恥ずかしいじゃん。
しかもなんか気まずいじゃん?
そんな風に、シャーペンくるくる回しながら、らしくもなく堂々巡りで螺旋状の"好き"を転がしていると、さっきの私よりもなんだか不機嫌なオーラをかもし出してる楽斗が教室に戻ってくる。
そして、何故かすとん、と私の前に陣取って無言で私のことを見つめてきた。