【女の事件】黒煙のレクイエム
第12話
11月29日のことであった。
アタシは、担任の先生から今後の進路のことが知りたいので義母と一緒に学校に来るようにと言われていたので、義母と一緒に学校に行った。
時は、午後4時前のことであった。
他の生徒たちが全員帰宅をしていたので、教室の中には、アタシと義母と担任の先生の3人だけがいた。
担任の先生は、今後の進路をどのようにしたいのかをアタシに問いただしていた。
アタシは、担任の先生からの問いかけに対して答えなかったので、義母はあつかましい声でアタシに言うた。
「こずえちゃん…だまっていたら卒業後の進路のことが分からないでしょ…こずえちゃん…」
担任の先生は、アタシの内申書を見つめながら義母にこう言うた。
「こずえさんの内申書に目を通してみたけど、今の状態では公立高校の受験どころか、私立も無理な状況になっています…あったとしても…特別支援学校の高等部しかないですねぇ…英検や漢検などの資格がない…特技がない…賞状がない…かと言って目立った罰も見当たらない…このさいだから特別支援学校の高等部から福祉施設に入所で、ヘルパーさんのお世話になる方がいいでしょうね。」
担任の先生から特別支援学校に入学する手続きを取りましょうかと言われたので、義母は『家に帰って話し合いをします。』と答えた。
結局、話し合いの結論は出なかった。
アタシは、あらためて担任の先生から受験可能な高校がなくなったと告げられたので、高校受験をあきらめた。
アタシと義母は、学校から帰宅をした後、改めて卒業後の進路について、話し合いをしていた。
アタシとしては、今の気持ちでは高校へ行くことも働くこともできないので、卒業後はゆっくりと療養をして体を休めたいと提示をした。
義母は『知り合いの人にお願いをしておくから…』と言うて高校だけでも行ってほしいと言うだけであった。
結局、話し合いは平行線に終わってしまった。
その日の夜8時過ぎのことであった。
父がけわしい顔をして、一時帰宅をした。
この日、父はお休みをいただいてカンヅメ工場へ行って、工場の仕事をやめるための手続きを取りに行ってた。
ダイニングのテーブルにて、父と義母は二人でお話をしていた。
「きのうの夕方…次兄の嫁さんのお父さまが…呼吸不全で亡くなった…明日の葬儀が終わった直後からはよりあわただしくなるかもしれない…だから、カンヅメ工場の仕事をやめた。」
「カンヅメ工場の仕事をやめたのね…それで、塩竃の次義兄さまのお嫁さんの実家の酒問屋さんはどうするのよ?」
「酒問屋は、あさってから無期限休業に入ることが決まった…あさってからは問屋をたたむための清算作業に入る…ボンクラの義兄が問屋のおカネで遊び回るだけ遊び回っていたので、義父さまは相当怒っていたよ…ごひいきしてくださった顧客のみなさまからは『アホボンが跡を継ぐのだったら、もうあんたかたの問屋とは取引しません…』と言うて、次々と契約解除を申し出ているので、問屋さんを一度無期限の休業にして、家の資産をすべて清算することにした…家出中の義兄が警察に保護されるまでの間に全部清算を済ませないと大変なことになるのだよ…おまけに…亡くなった義父も…だいぶ借金していた…そのことが原因で問屋の売り上げが大きく落ち込んで大打撃をこうむってしまった…問屋の営業を続けて行くことは不可能になった…」
「そうだったのね…それで、問屋さんの清算が全部終わるまでには、どれくらいかかるの?」
「亡くなった義父の借金と義兄がめいわくをかけた分がさらに増える可能性が出てくるかもしれないので、早く見積もっても、あと2~3年はかかる…その前に、残された従業員さんたちの再就職先のお世話をしないといけないのだよ…今の時点では、仙台か県外しか再就職先がないので困っているのだよ。」
父の言葉を聞いた義母は『よく分かったわ。』と言うて、父の言葉を理解した。
しかし、アタシの中学を卒業した後の進路のことになると、父は怒った表情でテーブルの上に大きめのふうとうを出した後、にぎりこぶしてドスーンと叩いてからこう言うた。
「しゅうか…このふうとうを…こずえに渡しておけ!!」
「あなた…このふうとうは何なのよ?」
「つべこべ言うな!!こずえにこのふうとうを渡しておけと言っているだろ!!」
「だから、何のふうとうなのかを言ってよ!!」
「何のふうとうって…ハローワークのふうとうだ!!」
「ハローワーク…」
「こずえは高校に行かないと言うているので、ハローワークが指定した事業所へ行って職場実習をして就職を目指す制度を申し込んでおいたと言うておけ!!4月から、大船渡の水産加工工場へ行けと言うておけ!!」
「あなた!!」
「オレはこの家を出てゆくぞ!!」
父は、ものすごく怒った口調で再び家を出て行った。
翌朝のことであった。
アタシは、義母から父が4月からは大船渡の水産加工工場へ行きなさいと唐突に言わたので頭の中で大パニックを起こしていた。
「ハローワークのふうとう…アタシ…聞いていないわよ…どうして…」
「こずえちゃん、お父さんがこずえちゃんが高校に進学しないことにものすごく怒っていたわよ。」
「そんな…」
「お父さんは、塩竃の問屋の後始末が終わったらまたここへ戻ってくるかもしれないのよ…そんな中で家にこもりきりになっていたらお父さんはイライラするかもしれない…」
「アタシにこの家から出て行けと言いたいのね!!だけどね!!家から出て行った後にアタシはどこへ行けばいいと言うのよ!?」
「だからそのために大船渡へ行きなさいと言っているのよ!!向こうの水産加工工場の住み込みで、ごはんもついていて…従業員さんたちも優しい人たちばかりで、仕事も教えてくれるのよ。」
「そんな優しい職場がどこにあると言うのよ!!断るわ!!アタシは家を出たあとはアタシの人生で生きて行くから!!大船渡には行かないからね!!」
「こずえちゃん!!」
アタシは、気分が悪くなったので急いで洗面所へ行った。
(うう…グハッ…ゲホゲホゲホゲホ…)
アタシは、大量に吐血をした後、激しくせき込んでいた。
ウソ…
どうしてなの…
こんなこと一度もなかったのに…
吐血だなんて…
ウソよ…
ありえないわ…
よりによって…
アタシは、急に恐ろしくなったので急いで水を出して吐き出した物を流していた。
ゲホゲホ…ゲホゲホ…
苦しい…
何なのかしら一体…
そんな時でありました。
(カタカタカタカタ…グラグラグラグラグラグラグラグラグラグラグラグラ…グラグラグラグラグラグラグラグラグラ…)
この時に、震度4に相当するやや強い地震が発生した。
ここ数日の間に、マグニチュード5・0前後の地震が東北地方でヒンパンに発生していたので、アタシの気持ちはひどく動揺していた。
その後アタシは、急いで病院に行って検査を受けたが、思い当たる症状がひとつも見つからなかった。
脳のCTスキャンの検査も念のために受けてみたが脳の異常は全く見つからなかった。
おかしいわ…
何かおかしいわ…
どうしてなのよ…
ますます分からなくなったので…
こわい…
アタシは、担任の先生から今後の進路のことが知りたいので義母と一緒に学校に来るようにと言われていたので、義母と一緒に学校に行った。
時は、午後4時前のことであった。
他の生徒たちが全員帰宅をしていたので、教室の中には、アタシと義母と担任の先生の3人だけがいた。
担任の先生は、今後の進路をどのようにしたいのかをアタシに問いただしていた。
アタシは、担任の先生からの問いかけに対して答えなかったので、義母はあつかましい声でアタシに言うた。
「こずえちゃん…だまっていたら卒業後の進路のことが分からないでしょ…こずえちゃん…」
担任の先生は、アタシの内申書を見つめながら義母にこう言うた。
「こずえさんの内申書に目を通してみたけど、今の状態では公立高校の受験どころか、私立も無理な状況になっています…あったとしても…特別支援学校の高等部しかないですねぇ…英検や漢検などの資格がない…特技がない…賞状がない…かと言って目立った罰も見当たらない…このさいだから特別支援学校の高等部から福祉施設に入所で、ヘルパーさんのお世話になる方がいいでしょうね。」
担任の先生から特別支援学校に入学する手続きを取りましょうかと言われたので、義母は『家に帰って話し合いをします。』と答えた。
結局、話し合いの結論は出なかった。
アタシは、あらためて担任の先生から受験可能な高校がなくなったと告げられたので、高校受験をあきらめた。
アタシと義母は、学校から帰宅をした後、改めて卒業後の進路について、話し合いをしていた。
アタシとしては、今の気持ちでは高校へ行くことも働くこともできないので、卒業後はゆっくりと療養をして体を休めたいと提示をした。
義母は『知り合いの人にお願いをしておくから…』と言うて高校だけでも行ってほしいと言うだけであった。
結局、話し合いは平行線に終わってしまった。
その日の夜8時過ぎのことであった。
父がけわしい顔をして、一時帰宅をした。
この日、父はお休みをいただいてカンヅメ工場へ行って、工場の仕事をやめるための手続きを取りに行ってた。
ダイニングのテーブルにて、父と義母は二人でお話をしていた。
「きのうの夕方…次兄の嫁さんのお父さまが…呼吸不全で亡くなった…明日の葬儀が終わった直後からはよりあわただしくなるかもしれない…だから、カンヅメ工場の仕事をやめた。」
「カンヅメ工場の仕事をやめたのね…それで、塩竃の次義兄さまのお嫁さんの実家の酒問屋さんはどうするのよ?」
「酒問屋は、あさってから無期限休業に入ることが決まった…あさってからは問屋をたたむための清算作業に入る…ボンクラの義兄が問屋のおカネで遊び回るだけ遊び回っていたので、義父さまは相当怒っていたよ…ごひいきしてくださった顧客のみなさまからは『アホボンが跡を継ぐのだったら、もうあんたかたの問屋とは取引しません…』と言うて、次々と契約解除を申し出ているので、問屋さんを一度無期限の休業にして、家の資産をすべて清算することにした…家出中の義兄が警察に保護されるまでの間に全部清算を済ませないと大変なことになるのだよ…おまけに…亡くなった義父も…だいぶ借金していた…そのことが原因で問屋の売り上げが大きく落ち込んで大打撃をこうむってしまった…問屋の営業を続けて行くことは不可能になった…」
「そうだったのね…それで、問屋さんの清算が全部終わるまでには、どれくらいかかるの?」
「亡くなった義父の借金と義兄がめいわくをかけた分がさらに増える可能性が出てくるかもしれないので、早く見積もっても、あと2~3年はかかる…その前に、残された従業員さんたちの再就職先のお世話をしないといけないのだよ…今の時点では、仙台か県外しか再就職先がないので困っているのだよ。」
父の言葉を聞いた義母は『よく分かったわ。』と言うて、父の言葉を理解した。
しかし、アタシの中学を卒業した後の進路のことになると、父は怒った表情でテーブルの上に大きめのふうとうを出した後、にぎりこぶしてドスーンと叩いてからこう言うた。
「しゅうか…このふうとうを…こずえに渡しておけ!!」
「あなた…このふうとうは何なのよ?」
「つべこべ言うな!!こずえにこのふうとうを渡しておけと言っているだろ!!」
「だから、何のふうとうなのかを言ってよ!!」
「何のふうとうって…ハローワークのふうとうだ!!」
「ハローワーク…」
「こずえは高校に行かないと言うているので、ハローワークが指定した事業所へ行って職場実習をして就職を目指す制度を申し込んでおいたと言うておけ!!4月から、大船渡の水産加工工場へ行けと言うておけ!!」
「あなた!!」
「オレはこの家を出てゆくぞ!!」
父は、ものすごく怒った口調で再び家を出て行った。
翌朝のことであった。
アタシは、義母から父が4月からは大船渡の水産加工工場へ行きなさいと唐突に言わたので頭の中で大パニックを起こしていた。
「ハローワークのふうとう…アタシ…聞いていないわよ…どうして…」
「こずえちゃん、お父さんがこずえちゃんが高校に進学しないことにものすごく怒っていたわよ。」
「そんな…」
「お父さんは、塩竃の問屋の後始末が終わったらまたここへ戻ってくるかもしれないのよ…そんな中で家にこもりきりになっていたらお父さんはイライラするかもしれない…」
「アタシにこの家から出て行けと言いたいのね!!だけどね!!家から出て行った後にアタシはどこへ行けばいいと言うのよ!?」
「だからそのために大船渡へ行きなさいと言っているのよ!!向こうの水産加工工場の住み込みで、ごはんもついていて…従業員さんたちも優しい人たちばかりで、仕事も教えてくれるのよ。」
「そんな優しい職場がどこにあると言うのよ!!断るわ!!アタシは家を出たあとはアタシの人生で生きて行くから!!大船渡には行かないからね!!」
「こずえちゃん!!」
アタシは、気分が悪くなったので急いで洗面所へ行った。
(うう…グハッ…ゲホゲホゲホゲホ…)
アタシは、大量に吐血をした後、激しくせき込んでいた。
ウソ…
どうしてなの…
こんなこと一度もなかったのに…
吐血だなんて…
ウソよ…
ありえないわ…
よりによって…
アタシは、急に恐ろしくなったので急いで水を出して吐き出した物を流していた。
ゲホゲホ…ゲホゲホ…
苦しい…
何なのかしら一体…
そんな時でありました。
(カタカタカタカタ…グラグラグラグラグラグラグラグラグラグラグラグラ…グラグラグラグラグラグラグラグラグラ…)
この時に、震度4に相当するやや強い地震が発生した。
ここ数日の間に、マグニチュード5・0前後の地震が東北地方でヒンパンに発生していたので、アタシの気持ちはひどく動揺していた。
その後アタシは、急いで病院に行って検査を受けたが、思い当たる症状がひとつも見つからなかった。
脳のCTスキャンの検査も念のために受けてみたが脳の異常は全く見つからなかった。
おかしいわ…
何かおかしいわ…
どうしてなのよ…
ますます分からなくなったので…
こわい…