【女の事件】黒煙のレクイエム
第45話
まさよしの嫁さんが森見公園で発生したレイプ事件の被害を受けて亡くなった事件の翌日に、たかよしの母親が家の中にとじこもりがちになってしまった。

まさよしの嫁さんを犯して死なせたゾンビの覆面をかぶっていた男の身元は、物的証拠がとぼしいので、容疑者の男の身元が判明に時間がかかるようだ。

愛媛県警の捜査1課の刑事たちの間に焦りが生じていた。

たかよしの母親は、再び神辺からやって来た次姉夫婦から借家を出るように説得をしていた。

しかし、たかよしの母親はひとりぼっちで死なせてくれと言うてさえぎってしまったので、たかよしの家はとうとう孤立してしまった。

それから20日後のことであった。

たかよしの母親が、森見公園で発生をしたレイプ事件でまさよしの嫁さんが亡くなった悲しみに沈んでいたことが原因で部屋の中にこもりきりになってしまった事を聞いたアタシは、再び今治市にやって来た。

アタシは、いよてつ松山市駅のバスターミナルから今治バスセンターまで特急バスに乗って今治市にやって来た。

アタシが今治バスセンターで特急バスを降りた時、中央消防署のけたたましいサイレンが鳴り響いていたのを聞いた。

一体何が起こったのかと思って不安な気持ちになっていたアタシは、急いで現場へと向かった。

アタシは、赤茶色のバッグを持って、横断歩道を渡って、商店街から松本町通りを走って、たかよしの家族が暮らしていた借家の近辺へ行った。

現場に到着をしたアタシは、この時恐ろしい光景を目撃した。

アタシが現場から400メートル先の場所にいた時であった。

たかよしの家族が暮らしていた借家が、恐ろしい黒煙をあげて激しい炎をあげて焼きつくしていた。

この時、やっと中央消防署の消防車が到着をして消火作業を始めようとしたが、ポンプが故障をしていて思う通りに作業ができなかったので、消防士たちがイライラしていた。

キンリンの住民のみなさまが『何をやっているのだ!!』『家を燃やす気か!?』『早くしてよ!!』『オンボロ消防士!!』『オドレらの上司がボンクラだからオドレらもボンクラ消防士なんだよ!!』『火災魔!!』『グズグズするんじゃねーよ!!』と言う怒号が飛び交っていたので、消防士たちはイライラしていた。

この時、若手の消防士のひとりが職務放棄をして逃げ出した。

その直後に、現場で暴動が発生した。

現場で暴動が発生していた時、アタシは現場の手前の信号の交差点で信号待ちをしていた。

その時に、セドリックシーマの愛媛県警のパトカーがけたたましいサイレンを鳴らしながら暴動が発生した現場へ向かっていたの見たので、引き返すことにした。

たかよしの母親は、家の中でベンジンをたくさんまいて火をつけて、自ら命を絶ってしまった。

たかよしは、フィリピンクラブの女とかけおちをした後、カノジョが生まれ育ったフィリピンへ渡って、ひっそりと暮らすことになった。

いずれにしても、たかよしの家の家族はアタシにきつい暴力をふるってお嫁さんを粗末にしたので、家や家族は灼熱の炎に焼かれて灰になった。

アタシは、赤茶色のバッグを持ってバスセンターへ向かってとぼとぼと歩いていた。
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