【女の事件】黒煙のレクイエム
第67話
ひろつぐが勤務している自動車教習所に通いの教習生10人が滞納していた教習料金の問題が解決できたので、ひろつぐはいつも通りに仕事をしていた。

ところが、8月11日に深刻な事件が発生した。

現場は、飯田市水の手町にあります県営住宅の一室にて…

県営住宅の一室で暮らしていた男性がシッソウした事件が発生したので、大さわぎになっていた。

部屋の中から遺書が見つかった。

遺書の内容は、教習所の教習料金が払えないことと教習所に合宿免許で県外から来ていた教習生の女のコに思いが届かなかったことと気になっていた女のコを同じ合宿免許で来ていた男性に取られたことなどや、終了検定に不合格が続いていることとフィギュアがなくなったことなど…最後に、6年前に飲酒運転をした上に無免許であることがケーサツに知られたら困ると思って逃げたことと事故を起こして、大切な家族を亡くしてしまった遺族のみなさまにおわびしますとかかれていた。

首を吊って亡くなった教習生が飲酒運転で無免許で交通死亡事故を起こしていたことが明らかになったので、近いうちに教習所に長野県の公安委員会が査察に来ると言う知らせが来た。

自動車教習所は、大パニックを起こしていた。

他にも、料金を滞納していた教習生3人が事件を起こしてケーサツに逮捕されるなど…問題が次々と発生していたので、教習所が閉鎖になる可能性が出ていた。

8月16日のことであった。

神山さんは、教習所内で騒ぎが大きくなる可能性が出てきたので合宿免許で来ている教習生さんたちを8月中に卒業させる措置を取ったことと8月16日から当分の間新規の教習生の受け入れを止めることを伝えてから、ひろつぐに転職をすすめた。

ひろつぐと神山さんは、お茶をのみながら話をしていた。

「ひろつぐさん…これから先のことなのだけど…ひろつぐさんはどのようにして生きて行こうとしているのかな?」
「どのようにしてって…何のことを言うているのかさっぱり分からない…」
「ひろつぐさん…ここはね…近いうちに公安委員会の監査を受けることになったので、8月中に教習生全員を卒業させることになったのだよ…16日からは新規の教習生の受け入れを中止になった…そう言うことで、ひろつぐさんには9月か10月頃をメドに転職をしなさいと言うことなんだよ…分かっているよね。」
「転職…いいっすよ…オレ…兄貴やおふくろのいる家から出て行きたかったのだよ…兄貴やおふくろと一緒に暮らしていたら、オレ…イライラするんだよ…」
「兄夫婦とお母さまと暮らしたくない気持ちはよくわかった…だけど、こずえはどうするのだね?」
「こずえはヤクザにイソンしているから別れたと言うているでしょ…」
「分かった…ほな、兄夫婦とお母さまと離れて遠くで暮らすけど、こずえのいるところにもいたくないのだな!!それだったら…有松(名古屋郊外)の方へ行け!!私の知り合いが大垣のK銀行の本店の人事の人なのだよ…知り合いに頼んでおくけん、9月からは有松へ行け!!」
「あんたに言われなくても有松へ行くよ…近くにダチが暮らしているから…ダチを頼る…オレ…自由になりたいよ…」

ひろつぐは、神山さんからのすすめで有松のK銀行の支店に転職をすることが決まったので、自動車教習所をやめることにした。

ひろつぐはこの時、オーストラリア人のホステスと離婚をしていた。

ひろつぐは、料金を滞納していた教習生から回収した教習料金を自動車教習所に入れずに離婚をしてオーストラリアに帰るお嫁さんの出産費用と交通費に回していたことが発覚することと、チンピラたちがゼニ目当てで近づいてくることが恐ろしいので、気持ちが焦っていた。

その上に、民事裁判の日程が大幅な延期がありますと裁判所から知らせがあったので、さらに気持ちが焦っていた。

今のひろつぐの気持ちは、激しい動揺に襲われていたのでジタバタしていた。
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