Ⓒランページ
3、現実はこんなもん。




数時間、瞼を閉じっぱなしだと、開けたときに視界がぼやける。


眠っている時、瞼は閉じているけど目はゴロゴロと左右にゆっくり動いている。


そんなことなどわかっているキミは、そんなことなど特に気にすることもなく、枕元にあるスマホに手を伸ばし、メッセージの有無、時間、さらにはニュースや天気予報などを確認する。


それが一通り終わると、ベッドから起き上がり、鏡の前に立つ。


「現実と向き合う時間ですよ」


と自分に言い聞かせるキミ。その声が思いの外虚しく響いて、大きなため息をついた。



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