正反対の二人

出会いはごく普通のものだった。

諒太は同じ野球部の二つ上の先輩で、何人かでご飯を食べにいく予定が私と諒太の二人しかスケジュールが合わず、結局二人で行くことになってそのまま告白された。

初めてご飯に行ったその日に告白されて驚き、暫く考えさせてと答え、まあ付き合ってみるかという軽い気持ちで付き合った。

諒太いわく、告白するつもりは毛頭なかったが勢いで言ってしまったらしい。
草食系な見た目にもかかわらず行動力がある。

この3年間でいろんなところに連れていってもらった。
思い出は数え切れないほどある。
優しくて大切にしてくれる本当にいい彼氏だ。
親からの評判もとてもよい。


でも、なぜだろう

時折すごく物足りないと感じるのは。


私が大学を卒業するまであと1年。
親には就職して2年しないと結婚は駄目と言われている。

「あと3年か...」


諒太と結婚するにはあと3年付き合わなければならない。

「3年って長いなあ」

家で一人、そう呟いていた。
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