彼と彼女の甘い秘めごと
――…ソファに座って抱きしめられて
伊織の膝の上に座り、肩に顔をうずめること数分。
「落ち着いた?」
「…うん」
「レモンティーでも淹れようか。紗和の好きな…」
「ううん、いいの。ここに居て」
「…、」
「ここで、ぎゅってしてて…」
焦り、不安、恐怖、疲弊。
負の感情は数えればきりがない。
…だからそれを、跡形もなく消すように
「仰せのままに」
――…わたしは伊織を求め続けた。