彼と彼女の甘い秘めごと



わたしがいつもと違ったのは、伊織はしっかりと理解していたと思う。

それを分かっていながら彼はわたしから言葉にするのを待ってくれていた。それがたまらなく愛しくて、嬉しかった。



「紗和、えっち」

「……うるさい…」

「ははっ、可愛すぎて食べちゃいたいな」



なんだか今日は、とても疲れた。

伊織が背中をぽんぽんと優しくたたいてくれて、また愛しさがこみ上げた。



「あのね伊織、今日ね」

「うん。どうしたの?」

『~♪~♪』

「…、わたしだ」



『着信:白石希帆』

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