彼と彼女の甘い秘めごと
「だからー。信号待ちの時、碓氷こうやって委員長のほっぺにキスしてたでしょ?」
そうして璃乃がやったジェスチャーは
鼻から口元にかけての横に、右手を添えて隠す動作。
「「っ!」」
――…分かった。
“俺と、組まないか?”
碓氷くんがわたしにそう囁いたとき
後ろにいた人には耳じゃなくて、頬に触れているように見えたんだ…!
「っ違うのあれは、角度的にそう見えただけの話でっ」
「そうなんだ、俺が委員長にこそっと話をしただけなんだよっ」
わたしと碓氷くんの必死な表情を見て
璃乃の表情も少しずつ変わってくる。
「…え、じゃあ見間違い――…」
「へぇ?いつの間にそんな仲になったわけ?」