極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛
#1 何かが始まる予感です

平穏な日常がひっくり返った日




その日、これまでの平和な日々が音を立てて崩れた。平々凡々な私に、まさかあんなことが起こるなんて……。


  






「ねぇ紗知(さち)見て。今月号ヤバいの!」


「え、あぁうん。えーっと、青山(あおやま)一佳(いちか)だっけ?」



昼休み、親友の七瀬(ななせ)(らん)ちゃんは広げたお弁当なんかそっちのけで、長いポニーテールを子犬のしっぽみたいにご機嫌に揺らしながら彼が載っている雑誌を手に詰め寄ってきた。



私はぱぱっとお昼をすませて、締め切り間近のコンテスト用イラストの制作にとりかかっているところ。



どちらかというと雑誌のイケメン俳優よりiPadの画面に集中したいんだけど、蘭ちゃんの熱いプレゼンは簡単に終わりそうにない。



「ねぇ聞いてる? 紗知ってほんと芸能人に興味ないよね」



「そんなことないよ。二次元オタクな私から見ても青山一佳はすごいイケメンだもん」



観念してiPadを閉じ、眼鏡の位置もくっと整えた。どんな推しの話も尊いよ。
蘭ちゃんだってアニメオタクな私にいつも付き合ってくれるもんね。



イケメンに目がない蘭ちゃんは予想通り、彼がどれだけ格好よくてクールなのか、女子の心を掴んで離さないのかを熱弁し始めた。
 
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