極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛
夏は危険なんで
夏休みに入る直前の今日、紗知から蘭ちゃんと水着を買いに行くって連絡が来た。前に聞いて複雑な気分になったけど、まさか今日行くなんて。
今はドラマの現場で真於と一緒。
隣でそれただの買い物じゃん、って言われて意味がわかんない。
あれからずっとそわそわして、入れてきたはずの台詞なんか全部飛んでった。
「ここなんだけど、俺が照明側からこっちに回り込むから──なぁ、聞いてんの?」
台本を手に真於がなんかしゃべってるけど右から左に流れていく。
「ごめん。今日NG連発かも」
「はぁ? 勘弁しろよ。巻けば夕方には自由の身じゃん。この辺もちゃんと打ち合わせとけばさ」
わかってるけど今日は要領よくなんてやれない。
現場が押したら俺のせい。
「なぁ、水着って何基準で選ぶわけ?」
「もしかしてずっとそんなこと考えてたのかよ。まぁ気持ちはわかんなくもないけど」
「だって別に海だったら水着じゃなくてもいいし問題はプールだよな。でも行くなとか言う男だるい」
頭が痛くなってきた。
ショートパンツで海だってきついかもしんない。
彼女のいる夏ってみんなどーやって乗り切ってんだろ。他の奴らに見られて平気なわけないのに。
水着姿はめちゃくちゃ見たい。
でも他の男には見られたくない。
真面目に悩んでるのに真於にはため息をつかれた。
「束縛しすぎてせいぜいフラれんなよ」
だって。