【女の事件】続黒煙のレクイエム
第13話
吉浜さんが居酒屋で乱闘事件を起こしたあげくに、ムセンインショクで酒をのんでいたことが表沙汰になったけん、きよひこが勤務しているJFの支所は事件の翌日から業務が停止になった。

組合員さんの生活にかかわる共済やマリンバンクのサービスが止まったので、組合員さんたちが支所の前に大勢集って『支所の業務を再開しろ!!』『本部の人間を呼んでこい!!』『ふざけるなオンボロ支所長!!』などと怒号をあげて騒いでいた。

11月22日頃に、さらに深刻な事態が発生した。

きよひこが勤務をしていたJFの支所前に地元の住民たちも組合員さんたちに加担して、支所の前で座り込みをしていたた。

支所の職員さんたちは、吉浜さんが起こした事件以降対応できなくなったので、11月21日に職員さんたちはデスクやロッカーの整理をして後片付けをすませたあとは自宅にこもりきりになるか、市外の地域か県外へ緊急避難を余儀なくされていた。

そんな中、ちづるはJFをやめて女川で暮らしているお見合い相手の男性と結婚をして専業主婦として家庭に入ることになっていた。

ちづるは、11月23日にお見合い相手の男性と挙式披露宴を挙げて24日に4泊5日の予定でプーケットへハネムーンに行くことになっていたが、11月20日にお見合い相手の男性のおじいさまが呼吸不全で亡くなったので、挙式披露宴を挙げる日が急きょ告別式の日に変更となった。

その日の夜のことであった。

ちづるは、お見合い相手の男性の母方の親せきの家にいて通夜に出席をしていた。

ちづるは、せっかく楽しみにしていた挙式披露宴が延期になったので沈痛な表情になっていた。

お見合い相手の男性は沈痛な表情になっているちづるに優しく声をかけたが、ちづるは『話がゼンゼン違うわよ!!』と怒っていたけん、お見合い相手の男性と大ゲンカを起こした上に『好きなカレシと別れさせたことは一生許さないから!!』と怒鳴り付けて家を飛び出した。

そして、泣きながら夜の道をとぼとぼと歩いていた。

事件は、その時に発生した。

「いっ、イヤ…何なのよ…イヤー!!」

ちづるは、ゾンビのふくめんをかぶった男6人に取り囲まれた後、近くにある雑木林につれて行かれた。

「やめて!!やめて!!やめて!!」

ちづるは、ゾンビのふくめんをかぶった男6人に刃物で衣服をズタズタに切り裂かれた後、ボロボロに傷つくまで犯されて殺されてしまった。

11月23日の早朝6時頃のことであった。

漁港の駐車場にて…

この時、地元の水産会社の営業に使っている白のカローラのライトバンの中に青いビニールシートで包まれている大きな物が積み込まれていたので、不審に思った会社の人が警察署に届け出た。

その時であった。

青いビニールシートの中にボロボロに傷いて恥ずかしい姿で亡くなっているちづるがいたので、大騒ぎになった。

「課長!!」
「どうした!?」
「大変です!!中にボロボロに傷いて亡くなっている女性がいました!!」
「早よ鑑識を呼べ!!」

この時、ちづるのお見合い相手の男性の家にちづるがレイプされて亡くなったことが伝えられたので、家は二重の悲しみに包まれていた。

一方、集団でちづるにきついレイプを加えてボロボロにして死なせたゾンビのふくめんをかぶった男6人はめいこからひとり200万円の現金を受け取った後、行方不明になっていた。

そのために、ゾンビのふくめんをかぶった男6人の身元が割り出すのに相当な時間がかかっていたので、宮城県警の捜査1課はむずかしい対応を迫られた。
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