【女の事件】続黒煙のレクイエム

第17話

日付が変わって、12月１日の深夜２時半過ぎのことであった。

バイトを終えたアタシは、早くアパートに帰って横になりたい気持ちになっていたけん、急いで家に帰ることにした。

その時であったけど、アタシは均当台公園の中できよひことめいこがもめている現場を目撃した。

めいこは、きよひこにＴ田さんが交通事故で亡くなったことをシツヨウに問い詰めていたが、きよひこは具合が悪そうな声でめいこにこう言い返した。

「だからＴ田が交通事故で亡くなったこととオレがどういう関係があると言うのだよ…かんべんしてくれよぉ…」
「アタシ!!思い切り怒っているのよ!!Ｔ田さんをどうして死なせたりしたのよ!?」
「お前がＴ田からセクハラを受けていると言ったからかたきうちをしたのだよ…お前、Ｔ田に犯されたのだろ…」
「違うわよ!!アタシは!!Ｔ田さんを愛していたのよ!!Ｔ田さんの赤ちゃんを産みたかったのに…」
「めいこの言っていることはオレには分からないよ…帰るよ…寝かせてくれよ…」

きよひこがその場から立ち去ろうとしていた時、めいこがワーッとなってきよひこにとびかかって行った。

押し合いへし合いの末に、きよひこはめいこを力で思い切り突き飛ばして倒した。

「ああ…赤ちゃん…赤ちゃん…苦しい…何でひどいことをするのよ…」
「ふざけるなよ!!めいこがオレにとびかかって来たのだよ!!オレは知らないからな…Ｔ田が死んだことについてはオレは知らないからな!!アバよ!!」

きよひこは、苦しんでいるめいこを置き去りにして帰ろうとしていた時、突然顔面に飛んできた石が直撃したのでその場に倒れてしまった。

「ああ!!左目が!!左目が!!ああ!!見えない!!」

その時であった。

刃渡りのするどいナイフを持った女が現れまして、ワーッと叫び声をあげながらきよひこの背中を一撃で刺した。

「きよひこオドレ!!」
「グワーッ!!グワーッ!!」
「思い知ったかきよひこ!!こずえちゃんに暴力をふるったのだからかたきうちだ!!」

アタシのかたきうち…

どういうことなのよ…

もしかして…

つばきちゃんなの!?

「ヒイイイイ…助けてくれ…助けてくれ…」

きよひこは、ナイフを持っていた女に刺されて殺された。

きよひこを殺したのは、つばきちゃんだった。

「思い知ったかきよひこ!!こずえちゃんに暴力をふるったのだから地獄へ墜ちろ!!オドレも地獄へ墜ちろ!!」
「やめて!!助けて!!」

つばきちゃんは、めいこも刃物で刺して殺した。

つばきちゃんやめて…

何でこんな恐ろしいことをするのよ…

「つばきちゃん…つばきちゃん…ねえ…」
「ああ…ああ…」

つばきちゃんは、アタシの顔をみたとたんに恐ろしくなったので、その場から逃げ出した後、行方不明になってしまった。

均当台公園で発生した恐ろしい事件の翌々日のことであった。

アタシは、２日前の事件によるショックが原因でバイトに行く気力をなくしたので、無断欠勤をした。

アタシは、つばきちゃんにラインでひっきりなしに呼び掛けていたが、全く応答がなかった。

つばきちゃんお願い…ケーサツに出頭してよ…

つばきちゃんお願い…

つばきちゃんは逃げ回るだけ逃げ回る方を選ぶの…

アタシは、何度も繰り返してつばきちゃんに呼びかけていた。

しかし…

つばきちゃんはこんなメッセージをアタシに残していた。

アタシにカンショウして来ないでよ!!

つばきちゃんはこの時、自爆する手前におちいっていたので、このメッセージを最後に途絶えてしまった。

それから10日後のことであった。

アタシは、無断欠勤を続けてしまったのでバイトをクビになった。

自暴自棄におちいったアタシは、仙台市内のホストクラブに入り浸りになったあげくに、売り上げナンバーワンのホストを私物化して、問題を起こしてしまった。

その日の夜のことであった。

アタシは、ゾンビのふくめんをかぶった男７人に取り囲まれた後、近くの公園の身障者用のトイレにつれて行かれた。

「イヤ!!やめて!!やめて!!ギャー!!」

アタシはその後、男たちからボロボロに傷つくまでシツヨウに犯された後、恥ずかしい姿で公園に置き去りにされてしまった。

悔しい…

恥ずかしい…

アタシ…

どうすればよいのか分からない…

置き去りにされたアタシは、公園の片隅で泣いていた。

つばきちゃんは、それから３日後に多賀城市内のパチンコ店で他の客ともめて、乱闘騒ぎを起こしてケーサツに逮捕された。

多賀城市内の警察署に逮捕されたつばきちゃんは、均当台公園できよひことめいこを刺して死なせた事件のことについて自首したので、再逮捕された。