【女の事件】続黒煙のレクイエム

第７話

11月７日のことであった。

盛岡の岩手県本部で勤務をしていたＴ田さんが出身地にUターンをして、きよひこが勤務している支所にあいさつに来ていた。

Ｔ田さんは、妹さん(28歳)がお見合いイベントで知り合った漁師さん(33歳)と入籍をしたので、新郎さんの本籍地の田野畑村の家へ移るので、お父さまの介護のために奥さまと子供さんふたりを連れて大船渡に帰ってきた。

吉浜さんは、Ｔ田さんにニコニコ顔で「新しいところでがんばるのだよ。」と言うたが、きよひこに対しては「週が明けたらＴ田くんに仕事の引き継ぎをしなさい!!Ｔ田さんに仕事を教えてあげなさい!!」ときつい声で言った。

きよひこは、吉浜さんからきつい声で言われたので、Ｔ田さんに激しい怒りを抱くようになった。

11月８日の夜８時過ぎのことであった。

Ｔ田さんの妹さんは、JR大船渡駅の近くにある居酒屋に行って、女子会仲間６人と一緒に妹さんの独身最後の女子会を楽しんでいた。

事件は深夜０時に10分前に発生した。

Ｔ田さんの妹さんが歩いて盛町の実家に向かっていた時に、突然ゾンビの覆面をかぶっていて派手なTシャツを着た男６人に囲まれてしまった。

「なっ…何なのよ…イヤッ…やめて!!やめて!!」

Ｔ田さんの妹さんは、ゾンビの覆面をかぶった男たちに連れ去られた後に行方が分からなくなった。

そして11月９日の昼前のことであった。

場所は、釜石市内にあるホテルサンルートにて…

この日は、Ｔ田さんの妹さんと新郎さんの挙式披露宴が行われる日であったが、Ｔ田さんの妹さんが前夜に大船渡市内の居酒屋を出た後に帰宅していなかったので、ホテルにいなかった。

Ｔ田さん夫婦とご両親と新郎さんのご家族とご親族のみなさまは、Ｔ田さんの妹さんが行方不明になっているので、どこへ行ったのだろうかと心配になっていた。

そんな時であった。

新郎さんの妹さん(26歳・OL)のスマホに、わけのわからない英文字と数字が並べられているメアドのメールが送られてきた。

新郎さんの妹さんは、わけがわからぬままメールに添付されている動画を開いてた。

そしたら…

大音量で激しいテンポのオーケストラが流れていたのと同時に、Ｔ田さんの妹さんがゾンビの覆面をかぶった男たちに押さえつけられて衣服を思い切りやぶられて恐ろしい叫び声をあげているレイプシーンが映っていた。

「ギャー!!やめて!!助けて!!助けて!!」

新郎さんの妹さんは、恐ろしくなってスマホのメールを閉じようとしたが、スマホがウイルスに感染して作動しなくなったので、発狂してしまった。

Ｔ田さんの妹さんのレイプシーンの動画が新郎さんの妹さんのスマホに送られて、スマホがウイルスに感染した事件が原因で、挙式披露宴は一時中止になった。

Ｔ田さんの妹さんは、ゾンビの覆面をかぶった男たち６人からきついレイプを受けてボロボロに傷ついて恥ずかしい姿を動画配信サイトに投稿されたあと、殺されてしまった。

妹さんの遺体は、その日のうちに犯人グループが盛町の実家の裏庭に置き去りにしたあと行方をくらませていた。

Ｔ田さんの両親は、警察署に被害届けを出して容疑者の男たち６人を逮捕してほしいとお願いをした。

しかし、容疑者の男の身元の特定に時間がかかることと動画配信サイトに投稿された動画の履歴の確認などに時間がかかるので、捜査は難航していた。

次の朝８時過ぎのことであった。

ＪＦの支所にやって来たＴ田さんは、吉浜さんに休職願いを出した。

吉浜さんは、Ｔ田さんが急に休職願いを出した理由を聞いて、ビックリしていた。

「何やて!?自分探しをしたいだと!?」
「はい…」
「Ｔ田くんは何を甘ったれたことを抜かしよんぞ!!今日からきよひこさんがしていたお仕事の引き継ぎをしなければならないのだよ!!きよひこさんから仕事を教えてもらうと言うのに、どうしてそんな弱々しい気持ちになっているのだ!?」
「ですから、経理の課長はぼくには合わないのです。」
「Ｔ田!!オドレは盛岡の本部で何しよったんぞ!!ここは地方の支所なのだよ!!頭のスイッチを切り替えて自分磨きをしなさい!!自分を磨いて磨いてピカピカにせんかい!!ボケ!!新天地でがんばっている姿を亡くなった妹さんにみせてあげなさい!!分かったらキビキビと動けやナマクラ野郎!!」

Ｔ田さんは、にらんだ目付きで吉浜さんに『こんなイナカの支所で働けるか!!ボンクラ支所長!!』と言うたあと、吉浜さんをボコボコに殴りつけてしまった。

きよひこは、Ｔ田さんが吉浜さんを殴って大ケガを追わせたあとケーサツに逮捕されたところを冷めた目付きで見つめて『勝った…』とつぶやいていた。

しかし、Ｔ田さんがケーサツに傷害罪で逮捕された日の夜に深刻な事件が発生した。