あなたと・・
退院

明日の朝
蒼は退院する。

背中の皮膚は、
移植でかなり綺麗になったので
もうこれで充分だと
蒼は喜んでいた。

塁は、ママが元気になり
帰ってくる事を喜んでいた。

午前中に
浩介は、蒼の病院に行き
支払い等を済ませた。

それから足立と話をして
蒼をしばらくは
心療内科には通わせた方が
良いとなった。

浩介は、余程の事がない限り
浩介の目が届かない所で
蒼を働かせるつもりはなかった。

蒼が俺とは、無理だと言わない
限り・・だが。

それに塁もいるし
蒼の心の方も考慮して
家にいて欲しいと思っていた。

「蒼、明日は朝の内に
退院しような。
塁も休ませて
ゆっくりしよう。
何か食べたいものがあるか?」
「浩介さん。本当に色々と
ありがとうございました。
浩介さんがいなかったら
私と塁は、どうなっていたか
本当に感謝しています。
それに、亮さんや養成学校の先生方にも
お世話になってしまい。」
「俺も、みんなも好きでやったことだ。
蒼が気にする必要はない。」
「でも・・また、なにかお返しできたら
と、思っています。
明日のご飯は、
私が作っても良いですか?」
「身体、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。」
「じゃ、塁と俺と亮の分も良いか?」
「はい、もちろん。」
そう、蒼と話すと
浩介は、一度仕事に行き
「夕方に、また来る。」
と、言った。

蒼は、少しずつ片付けをして
今日持って帰れるものは、
夕方、浩介に頼もうと思った。
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