あなたと・・

外科医


外科医 須藤・・

院長からの要請で
救急外来入り口へ急ぐ

救急車が入り
ストレッチャーがおりた
あっ、女性だ
とても綺麗な方だ

「先生っ、行きますよ。」
師長に声をかけられて
あわててストレッチャーを追う
俺としたことが・・・

ストレッチから下ろされた
彼女は、シーツにくるまれていた
それを剥がすと
うっ‥‥‥と、師長と看護師の声
俺も院長も‥‥唖然‥‥
救急隊員も知らなかったみたいで
下を向いた

彼女は、右手右足を鎖で
左手左足を鎖で繋がられ
胴体中、うっ血があちこち
もう色が変色している所もある
右手の曲がりは、異様な角度に曲がり
足のつけねには刃物できられた後が
あちこちに
治りかけの物もある
頭も髪の毛に血が固まっている

体を触ると胸骨も折れている

背中は、タバコでつけられた後が
無数に。
何度も、何度も押し付けられている
ようだ。

動かしていると
彼女の中から強姦されたあとが・・

師長も看護師も涙を流しながら
術着を着せている

体中の写真も撮り終えて
レントゲンを撮り
手当てをしていく

彼女は、特別室に運ばれ
限界体制になる

院長の通報で警察が駆けつけ
カンファレンス室で
話をする。

院長と俺
警官が三名
コンコンとドアがたたかれて
入ってきた男性は
背が高くがっちりした
体型の人だった。
「こちらは、河野さんの勤める
会社の社長で、私の友人です。」
「中津川といいます。
河野さんの息子から電話を
もらい、私が駆けつけました。
彼女にシーツをかけたのは
私です。」
と、彼・中津川さんがいった。

それから、検査結果と
治療内容の報告があり
中津川さんから
主犯の話し等があり
今後の打ち合わせをしてから
警官は、帰っていき
院長と中津川さんは
話をしていたが
中津川さんから
「須藤先生、宜しくお願い致します。」
と、頭を下げられて
「全力を尽くします。」
と、俺も言ってカンファレンス室をでた。

俺は、一度彼女の病室により
器械やバイタルのチェックをして
彼女の顔を覗いてから
病室をでた。

患者さんで
こんなに気になる人は
初めてで、どうしてよいか
自分自身わからなくなっていた。
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