【完】終わりのない明日を君の隣で見ていたい
けれどわたしはそれどころじゃない。いったいなにがどうしてこの状況になったのか理解できない。それにわたしの体は、だれがなんと言おうと先生のものだ。
「ちょっと、離して!」
「あ”? ごちゃごちゃうるせぇ」
「わたし、やるなんて一度も……!」
「これは決定事項だ。お前は、」
「――皇」
突然、矢のように通る声が、わたしたちのやりとりを遮った。
はっとして声がした方に視線を向ければ、先生が冷ややかな目で皇くんを見据えていた。
「森下の意見も聞かずに勝手に決めるんじゃない」
「先生……」